きょうはマラカスのひ

    [amazonjs asin="4834080013" locale="JP" tmpl="funfunpost" title="きょうはマラカスのひ -クネクネさんのいちにち (日本傑作絵本シリーズ)"]
  • 所要時間:8分
  • 対象:5歳 6歳
  • 季節:全て

レビュー

銅版画家の樋勝朋巳さんの絵本。
カラーの銅版画で描かれたイラストはとてもキュートで、雑貨になってたら買う女子が続出しそう。
チャオ!なんて挨拶もクネクネさんたちにはまるで違和感なしです。
さてストーリーはというと「マスカラの発表会」が題材。
一生懸命練習して、ドキドキしながら発表して、失敗したら落ち込んで・・・とひとつひとつの出来事に、とても共感できる内容です。
チャーミングなキャラクターに心を奪われがちですが、何気に文章がすごい。
軽快なマスカラの音色、クネクネさんの心理描写。
ドキドキする気持ちはドキドキと、悲しい気持ちは悲しく、余計な表現はなく、本当にスマートでやさしい。
「本を読んで登場人物に感情移入する楽しさ」を存分に味わえる絵本です。

反応

幼稚園の年長組で読みました。
少し長めのストーリーなので、飽きずに最後まで聞いてくれるかな?と思いましたが、思いのほか絵本の世界に入り込んでくれました。
チャッウーチャチャウー!といったマスカラの音に合わせ、見えないマスカラを振り出す子がいたりして楽しい雰囲気。
キャラクターの発表が終わるごとに、盛大な拍手がおこり、すっかり物語の世界の発表会の観客になりきっているのが本当にかわいい。
クネクネさんの失敗にみんなの顔がシュンと曇り、シーンと静まり返った教室も、最後の大成功のシーンでは満面の笑みの大拍手!
まさかここまで盛り上がるとは!

ちなみに2年生でも読みましたが、さすがに幼稚園児のような盛り上がりはナシ。
でも発表をするドキドキや、失敗したときの気持ちには共感したようすで、最後まで絵本に見入ってくれました。
失敗を恐れずにがんばれ、こどもたち。

マラカスの音の読み方など、読み手は事前に練習が必要。
それにしても、年長組みのフィーバーが思い出深いお話会になりました。